大好きな江國香織の原作による「スイートリトルライズ」を観てきました。
テディベア作家の瑠璃子(中谷)、夫の聡(大森)。
この二人の間にある距離感、会話、視線、時間の経過、
まさにこの世界観こそ、江國作品。
夫婦揃って浮気をしているのに、そこにはドロドロしたものが一切なくて、
どこまでも乾いた空気が流れている。
ちょうど、真冬に乾燥で指先にささくれができるように、
二人の心にささくれができていくように感じられて、
なんだか痛い。
夫婦という関係とは、一体なんなのか。
でも、夫婦っていいな、と思いました。
10年後、20年後を思い描ける、時がつながっていくのが夫婦や家族。
今、この瞬間を一緒に時を刻んでいるのが恋人。
現在進行形の恋愛は、楽しいんだけれど、未来進行形にはかなわない。
主演の2人の体温が、役柄とぴったりでした。
中谷美紀さん、一体どこまで透き通るように美しい女性になっていくのでしょう。
大森南朋さんも色気があって素敵な俳優さんですね。
人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。
この言葉にドキッとした方、男女問わず是非映画をご覧ください。
ここで、余談。
実は、学生時代にテディベア作りにはまっていた私。。
仕事をはじめてからは、一切ぬいぐるみを作ることはありませんでしたが、
映画を観ていたら、なんだかまたテディベアへの創作意欲が湧いてきました。
生地を選ぶのがワクワクするんですよね。
いつぞや、ニューベアーができましたら、お披露目いたします。